Magnolia Tech

いつもコードのことばかり考えている人のために。

『「人の器」を測るとはどういうことか』という本を読んだ

先日参加したクローズドな勉強会で『「人の器」を測るとはどういうことか』という本を勧められたので、すぐに買ってみた。

うん、値段とかもロクに確認しないで注文したのもよくないんだけど、新書くらいの本かな?と思って注文したら思いっきりハードカバーの本が届いた。

届いた時に、「あれ?何の注文だっけ」と素で分からないくらいには想定外の厚さだった。

そして、この本を一人で読める気が一切しなかったので(普段自分が読まない分野の本なので)、読書会を行うことにした。

このエントリは、そのための準備です。


この本では「プロセス・コンサルテーション」という手法を解説している。この手法は、「クライアントの思考プロセスに対するコンサルテーション」を行う。

本書では発達段階の測定方法を通じて、その手法を解説していく、という構成になっている。

この本の中で定義されている発達段階の推移は以下の通り。

段階 段階2 段階3 段階4 段階5
段階 手段・道具的段階 他者依存段階 自己著述段階 自己認識段階
他者の捉え方 自己の要求を満たすための手段・道具 自己イメージを形成するために必要なもの 協力者、同僚・仲間 自己の変容に貢献する者
自己洞察 とても高い

主に、他者との関わり、自己をどう捉えるか?という観点でまとめられている。

それぞれの段階の大きな特徴と、段階をステップを追って変容していく様子、その状態のインタビューを通じた測り方などが解説されていく。

段階2から5に至るまでには、16のステップが有り、少しずつ変わりながら先へ進んでいく、とのこと...

『WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~136]』でWebアプリケーション開発の歴史を振り返る

22年間続いたWEB+DB Pressが休刊になる、というニュースは衝撃でした。

gihyo.jp

初めて買ったのがいつだったのか全然覚えていないのですが、PerlRubyをはじめとするLL言語(そんな言い方もしなくなりましたね)を勉強するために買い始めた記憶があります。

一度だけ記事を書かさせて頂いたこともありますが、わずかなページ数を書き上げるのに、こんな大変な思いをしてみんな書いているのか、編集者の方はこんな的確な指摘をしてくれるのか、と色々な発見が有りました。

残念ながら昨年行われた22.9周年パーティには参加できなかったのですが、写真からだけでも関わった方々の熱気が分かりますね。

blog.kushii.net

ある意味で「幼年期の終わり」を迎えた業界でもあり、成熟に向かっている中、この雑誌が日本の技術者に与えた影響はすごく大きかったと思います。

この先、技術雑誌ビジネスが拡大するか?というと、きっとそんなことは無いと思うのですが、きちんと企画・編集された記事が定期的に世の中に出回ることの意味って絶対に有ると思っているので、何らかの形でクオリティコントロールされたメディアが続くことを祈っています。


といわけで、本誌、過去記事の収録だけでなく、書き下ろしコラムも載っていて、DVD版だけでなくダウンロードコードも付いているので、今すぐ全員買いましょう、保存しましょう。

中には今では通用しなくなった記事もありますが、今でも十分に参考になる情報もたくさんあるので、これで3300円は破格のお値打ち品ですよね。

「PHPカンファレンス小田原」へ行ってきた

phpcon-odawara.jp

たぶん人生で一行もPHPを書いたことが無いのですが、「PHPカンファレンス小田原」へ行ってきました。

会場は、小田原駅前の、おだわら市民交流センター「UMECO」。

これまた人生初めての小田原駅でした。


会場に登場した梅丸くんが、随所で盛り上げてくれました。でも連続稼働時間が50分と制限があるので、梅丸くんの稼働時間の限界に合わせてLTが2部構成になっていたのが面白かったです。


発表は、以下の4つをがっつり聞きました。あと、LT全部見ました。

fortee.jp

fortee.jp

fortee.jp

fortee.jp

特に、id:cakephper さんの発表での、カンファレンスはいつまでも続くわけではない、というメッセージは印象に残りました。PHPのイベントが2020年に激減した様子を改めて見せられると、突然終わっちゃうんだよなーと感慨深くなりました。

あとは、いわゆるカンファレンスの廊下での会話が色々と学びがあってよかったです。最近よくお話をする人、最近知り合った人、みんな会場に居て、PHPerの勢いと、コミュニティの温かさを感じました。


オープニングからクロージングまで全部居たカンファレンス、というのも結構久しぶりだし、ちょっと遠出して参加する、というのも非日常感が有りました。

なによりスタッフ陣のみんなに楽しんでほしい、という気持ちが特に強かったイベントだなと感じました。

この熱量を、文章で表現することは難しいので、みんなどんどんカンファレンスへ行って、直接感じましょう

来年の開催は未定のようですが、また有るといいなって思いました。

大吉祥寺.pmの一般参加者、ボランティアスタッフの募集を開始しました

素で投稿先のブログを間違えてしまいましたが、まぁいいかとここに残しておきます マジでこんなスピードで埋まると思ってませんでした

皆様には感謝しかないです


kichijojipm.connpass.com

7月13日に開催される大吉祥寺.pmの一般参加者、ボランティアスタッフの募集を開始しました。

しかし、既に募集開始から1日と経たずに当初用意した150席が埋まってしまい、追加で50席を用意したものの、それも埋まっていて、今登録しても補欠登録になります。申し訳ないです。

また、ボランティアスタッフについても当初募集の人数は埋まっています。

まだ開催まで3ヶ月ありますので、キャンセルが出たり、もしかすると若干数追加の座席を開放するかもしれませんので、ご興味のある方はぜひ参加登録をしておいてください。


引き続き、4月下旬にはトーク、LTの公募を行い、5月中旬には決定し、タイムテーブルを公表いたします。

前夜祭、懇親会なども計画していきますので、続報は、吉祥寺.pmのXアカウント(https://twitter.com/kichijojipm)をチェックおいてください。


まだ現段階では何一つ企画内容も明らかになっておらず、「吉祥寺でイベントが開催される」以外の情報が何も無い段階でここまで皆さんの参加の意思を示していただいたことには感謝しかありません。

開催をお楽しみに。

Object Oriented Conference 2024に参加してきた

ooc.dev

カンファレンスがオフラインに帰ってきた中でも、最大イベント「Object Oriented Conference 2024」に参加してきました。

それぞれのトークや、LTの感想は色々なところで出回ると思いますので、個人的なことだけ。


コミュニティに関するLTをやってもよい、という話だったので、珍しく吉祥寺.pmを宣伝するLTをやってきました。

speakerdeck.com

増田 亨さんにご挨拶した際に、吉祥寺.pmを良いイベントだと褒めてもらったのが凄く嬉しかったですね。

あと、会場で吉祥寺.pmを知っている方に挙手いただいたら、かなりの数の方の手が上がったので、それが嬉しかった。長く続けたかいが有りました。


会場では数限りない「オンラインでの交流は有っても、リアルに会えなかった方々とたくさんご挨拶ができました。

そしてサインも頂いてしまいました。

宝物にします!


オフラインにはオフラインの、オンラインにはオンラインの良さがありますが、やっぱりみんなで直接会って、いろんなことを話すのは自分の中に確実に残る「ナニカ」が有りますね。このコミュニケーションの密度をやっぱりみんな待っていたんだなって思いました。

「実用git 第3版」...読み・書き・そろばん・バージョン管理

14年ぶりに改版されたgitの解説本、「実用git」を読みました。

もう日常的にgitを使うようになって10年以上経つので、初めて触れた頃に何で戸惑っていたのかは覚えていないけど、例えばGitHubとの連携を取っても意外とgitがどうやってファイルを管理しているのか、コミットがどうやって管理されているのかといった内部構造や、設計思想(すべてをハッシュ値で識別する)をしっかり理解していないと使いこなすのが難しいな、という記憶がある。

所謂「git入門本」ではなく、「gitの機能解説本」なので、いきなり初心者の方がこの本を読んでgitを学ぼうとするのは無理がある。しかし、一つ一つの機能が丁寧に解説され、さらにすべてのメッセージに対して日本語訳を一緒に掲載しているところが素晴らしいところ。リファレンスとしても普段使わない機能の学習にも最適。また、監訳注も充実していて、周辺知識のフォローに余念が無い。

特に、コミットのグラフの読み方が分からないと、本当に手も足も出ない、みたいな状態になることが多いのだけど、その辺がしっかり解説されているのが良かった。

branchのデフォルト名称がmainに変わろうとしていたり、switchというサブコマンドが導入されたりと、最近のバージョンでの変更もしっかりフォローされている。

ベテランの人たちは、今更読んで新しい使い方を発見するみたいなことはあまりないかもしれないし、完全な初心者が入門するために使う本でもないけど、一家に1冊有ると安心できる、そんな定番本だと思います。