あまり中身も知らずに、細谷功さんの新刊だから買っておけばいいだろと思って購入。
冒頭から「言われたことを実行するのは得意だが、能動的な提案が不得意である」というドキっとする言葉から始まる。
本書はSI(システムインテグレーション)を事業とする人や、企業がシステム開発において「具体と抽象」をどのように理解して振る舞っていくべきか、ということが説かれてる本になっている。
費用をもらってシステムの開発をする、という仕事はそれこそ千差万別で色々な会社や個人がさまざまな期待と規模と契約条件に基づいて営んでいるので、その全てを語ることは現実的ではないし、あまり意味も無いので、本書は規模感や、担うフェーズ、システム開発の方法論について一定の前提(そこはあまり明確に定義はされないけど、なんとなく分かる)が置かれて書かれている。
そのため、その前提から外れている人からすれば、「おや?」と思うかもしれない。
システム開発を事業として請け負うことは、突き詰めていくと「リスクを把握し、どのリスクは受け入れられて、どのリスクは受け入れられないか」という判断に基づいて、できることと、できないことを見極める行為だし、その方針というか、程度によってその事業体が得意とすること、不得意とすることが決まってくる。
それは良い・悪いではなく、単なる事業上の選択の問題として。
で、本書はその選択を変えたい、変えるためには?という問いかけに対して一定の視点を与えてくれるな、と感じた。
受託者には受託者の視点が有るし、発注者には発注者の視点が有り、発注者もまたリスクコントロールの主体である以上は、この本に書かれていることの逆の視点での判断が有るな、ということを念頭に置きながら読むといいかもしれない...そんなことを思いながら読んでました。
あとは全体的に、whyから考えよう、という話に対しては「誰かのhowは、別の誰かのwhyである」という話もあり、元々立場が違えば、視点も違うけど、そこは埋められるのか?というのはちょっと思った。
そんな思考のきっかけになったので、なかなか面白かったですね。
