Magnolia Tech

いつもコードのことばかり考えている人のために。

『ドメイン駆動設計』…そもそもドメインに駆動されない設計って有り得るのか?

10年前に初めて読んで、数年おきに読み返すようにしているのだけど、読むたびに自分の中でも感想が変わる一冊……エリック・エヴァンスの『ドメイン駆動設計』

世の中そこまで悪く無いというか、別に「ドメイン駆動設計を取り入れました!」と高らかに宣言しなくても、いにしえの時代からみんなちゃんとドメインと向い合ってきたし、相応の価値あるシステムを作り上げてきた。派手に失敗した(廃棄された)システムよりも、ちょっとトラブルが多い、なにか改修しづらい、影響が調べづらい…みたいな、アジリティが低いことは問題となったとしても。

そのアジリティの低さをドメイン駆動設計の概念により少しでも高めて行こう、というならば分かるけど、「ドメイン駆動設計を取り入れないと上手く行かない」となると違うんじゃないか。

メインフレームCOBOLって世界だって、きちんと設計はされていたし、ドメインと向かい合っていたわけで、ただその方法論に良い名前がついてなかったり、妙に原理主義的な主張だったりするから、一部の人の関心しか引かなかったわけで。

未来を見据えてコードを書こうとすればするほど、ドメインと向かい合う時間はおのずと長くなるはずなんだよね。