Magnolia Tech

いつもコードのことばかり考えている人のために。

状況報告、報告を受ける側が知りたいのは尽きるところ「ヤバいか、ヤバくないか」「それで次に行動するのはオレかお前か」というところです

振り返ると定期的に同じことを書いているんですけど、「報告を受ける側」が期待することって、「ヤバいか、ヤバくないか」「それで次に行動するのはオレかお前か」を素早く判断して、行動に起こすための情報が欲しいわけです。

報告資料が単に「状態」だけを延々書いていて、「で、この状態に対するあなたの見解は?」ということを表現していないと全然意味が無い(いや、たまに意味が有る場面も有るんですけどね)わけですし、それが元々想定された状況と差異が有れば何らかの意思決定と、行動がそこにつながるはずで、報告する側が「誰にどんな行動を期待しているのか?」ということを表明しないと、そこがボヤけてしまいますよね。

意外と、ブログに書いてなかったので、もう一回書いてみました。


一度間違えて、吉祥寺.pmのイベントブログに投稿してしまったので、個人ブログに再投稿です

『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』に見た振る舞いと、アジャイルと、ウォーターフォール

先日、人との会話の中で、「Affordable Loss(許容可能な損失)」という言葉が出てきた。全然知らない単語だったので、なんだっけ?と思って調べてみると、「エフェクチュエーション」という理論の中に出てくる用語だということが分かった。

「エフェクチュエーション」に関する本を検索してみると、なかなか分厚い、読むのに苦労しそうな本ばかり出てくるのだけど、去年『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』という入門書が出ていることを知って購入。


冒頭に書かれていることをそのまま引用すると、「エフェクチュエーション」とは、”熟達した起業家に対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して予測ではなく、コントロールによって対処する思考様式”とあります。

当然、この考え方の通りにやれば成功するという方法論ではないのですが、自分が行動を起こすときの前提を変えるきっかけにはなる理論と言えます。

その理論を構成する5つの原則は、以下のように命名されています。

  • 手中の鳥
  • 許容可能な損失
  • レモネード
  • クレイジーキルト
  • 飛行機のパイロット

一見すると何のことだか分からないところがいいですね。具体的な内容は解説されているサイトや、本を読んでみてください。


エフェクチュエーションに対応する、反対の考え方は「コーゼーション」と定義されていて、事前に目標を定め、それに合わせて成功確率を上げるための計画、戦略を定め、必要な資源を確保し、実行に移し、計画通りに実行されていることをモニタリングしながら、当初目標を達成することを目指します。

そして、エフェクチュエーションは、その逆で、手持ちのリソースと、状況に合わせて、素早く行動していこう、という考え方になっています。

つまり、アジャイルと、ウォーターフォールの対比に似ていると感じました。

具体的な方法論は全然異なりますが、結果とそのフィードバックに重点を置くのか、計画/予測に重点を置くのか、という対比は極めて、アジャイルウォーターフォール的だなと思いました。

この本では、エフェクチュエーションと、コーゼーションのどっちが優れている、どちらを採用すべき、どちらか一つしか採用できない、みたいなことは当然書いてなくて、不確実な状況が減れば、当初はエフェクチュエーション的なやり方からコーゼーション的なやり方に変わっていくよね、ということも書かれています。

それはそう。

極端な思考の両端を理解/経験することで、手持ちのカードを増やし、適応できる状況を増やしていくことが、我々にできることじゃないかと。

コーゼーションに振った組織の振る舞いでも階層を変えていくと全然エフェクチュエーション的な考えで運営されていたりしますしね。


Ubuntu 24.04LTS環境で、NeoVim + MetalsベースのScala開発環境を整備する

Ubuntu 24.04LTSがリリースされたのでしばらくアップデートしていなかったScalaの開発環境を整備した記録。

Ubuntu 24.04LTSをインストールする

これまで通り、ThinkCentre M75q Tiny Gen2にUbuntu Serverをインストール

https://ubuntu.com/server

(いろいろと試すためにもミニPC上に、自由に使えるLinux環境があると便利ですよね)

OpenJDKをインストール

aptコマンドを使って、以下のパッケージをインストール

  • openjdk-21-jdk
  • openjdk-21-source

Metalsが、定義を表示するためにsourceが必要と言ってくるので、jdkのバイナリ以外にもソースもインストールが必要

NeoVimをインストール

coc-metalsがメンテナンスされなくなったので、nvim-metals+NeoVimの組み合わせがお勧めとのことで、そちらに切り替える。

aptコマンドを使って、以下のパッケージをインストール

  • neovim

nvim-metalsのインストール

以下のドキュメントを参考に(コピペして)、~/.config/nvim/init.luaを作成する。

github.com

Metalsのインストール

nvimを起動し、:MetalsInstallでインストールする


あとは、nvimnのデフォルトの色設定が見づらかったので、適宜colorschemeなどを修正する

『SSL/TLS実践入門 ──Webの安全性を支える暗号化技術の設計思想』はTLSに関する全部入り

GWの課題図書として読み始めた『SSL/TLS実践入門 ──Webの安全性を支える暗号化技術の設計思想』

全部入りですね、この本

TLSで使われる暗号の種類、その暗号化の方法、認証局の運用、Wiresharkを使った通信内容の確認、OpenSSLをライブラリとしてアプリケーションから利用する方法、実際の攻撃手法...TLSに関する色々なことが全部詰まっています。

初期のSSLから、TLS1.3まで歴史を踏まえた記載になっているのも嬉しいところです。

特に、ことあるごとにDockerでセットアップした環境で実際に動かすところがきちんとサポートされているところがいいですね!


とはいえ、頭から読み続けると暗号化の方法のところで止まってしまいそうになったので、まずはざっと読むといいのかなと思いました。

しかし、攻撃手法の解説は凄いですね...どうやって暗号手法の弱点を見つけ出すのか、その弱点を元に実際の攻撃手法をどうやって作っていくのか、そしてそれに対応するために何をやっていくのか...まさに人類の歴史!といった世界でした...

TLSの解説書、どんどん情報がアップデートされていくので、以前勉強した、という人も復習を兼ねて読んでみると新しい情報の量に驚くことが多いと思います。

みんな長い休みに手を動かしながら読むといいと思いました

『「人の器」を測るとはどういうことか』という本を読んだ

先日参加したクローズドな勉強会で『「人の器」を測るとはどういうことか』という本を勧められたので、すぐに買ってみた。

うん、値段とかもロクに確認しないで注文したのもよくないんだけど、新書くらいの本かな?と思って注文したら思いっきりハードカバーの本が届いた。

届いた時に、「あれ?何の注文だっけ」と素で分からないくらいには想定外の厚さだった。

そして、この本を一人で読める気が一切しなかったので(普段自分が読まない分野の本なので)、読書会を行うことにした。

このエントリは、そのための準備です。


この本では「プロセス・コンサルテーション」という手法を解説している。この手法は、「クライアントの思考プロセスに対するコンサルテーション」を行う。

本書では発達段階の測定方法を通じて、その手法を解説していく、という構成になっている。

この本の中で定義されている発達段階の推移は以下の通り。

段階 段階2 段階3 段階4 段階5
段階 手段・道具的段階 他者依存段階 自己著述段階 自己認識段階
他者の捉え方 自己の要求を満たすための手段・道具 自己イメージを形成するために必要なもの 協力者、同僚・仲間 自己の変容に貢献する者
自己洞察 とても高い

主に、他者との関わり、自己をどう捉えるか?という観点でまとめられている。

それぞれの段階の大きな特徴と、段階をステップを追って変容していく様子、その状態のインタビューを通じた測り方などが解説されていく。

段階2から5に至るまでには、16のステップが有り、少しずつ変わりながら先へ進んでいく、とのこと...

『WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~136]』でWebアプリケーション開発の歴史を振り返る

22年間続いたWEB+DB Pressが休刊になる、というニュースは衝撃でした。

gihyo.jp

初めて買ったのがいつだったのか全然覚えていないのですが、PerlRubyをはじめとするLL言語(そんな言い方もしなくなりましたね)を勉強するために買い始めた記憶があります。

一度だけ記事を書かさせて頂いたこともありますが、わずかなページ数を書き上げるのに、こんな大変な思いをしてみんな書いているのか、編集者の方はこんな的確な指摘をしてくれるのか、と色々な発見が有りました。

残念ながら昨年行われた22.9周年パーティには参加できなかったのですが、写真からだけでも関わった方々の熱気が分かりますね。

blog.kushii.net

ある意味で「幼年期の終わり」を迎えた業界でもあり、成熟に向かっている中、この雑誌が日本の技術者に与えた影響はすごく大きかったと思います。

この先、技術雑誌ビジネスが拡大するか?というと、きっとそんなことは無いと思うのですが、きちんと企画・編集された記事が定期的に世の中に出回ることの意味って絶対に有ると思っているので、何らかの形でクオリティコントロールされたメディアが続くことを祈っています。


といわけで、本誌、過去記事の収録だけでなく、書き下ろしコラムも載っていて、DVD版だけでなくダウンロードコードも付いているので、今すぐ全員買いましょう、保存しましょう。

中には今では通用しなくなった記事もありますが、今でも十分に参考になる情報もたくさんあるので、これで3300円は破格のお値打ち品ですよね。