Magnolia Tech

いつもコードのことばかり考えている人のために。

『モダンLinux入門 - オンプレミスからクラウドまで、幅広い知識を会得する』...サブタイトル通りの入門書

2023/4/24 訳者のお名前の誤字を修正しました 大変失礼致しました —-

コンテナ/クラウド時代のLinux入門本令和最新版。

Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識』の著者、武内覚さんと、数々の技術書に執筆や翻訳をされている大岩尚宏さんの訳。

サブタイトルに有る通り、色々な場所で使われる現代における、モダンなLinuxの入門本。

OSそのものの入門書ではないので、「OSとは何か?」みたいなところからだと厳しいけど、それがわかっている人には、カーネルシェルスクリプト、アクセス制御、ファイルシステム、ネットワーク等、Linuxを構成する技術要素がものすごい密度で解説されているので、「あれってどうなっているんだっけ?」という知りたいことへのとっかかりとしてちょうど良い。豊富な関連リソースへのリンクや、最新のトピックも網羅されているので、リファレンスのリファレンスとして1冊手元にあるといい。全部で218ページしかないっていう薄さもいい。

冒頭でLinuxの良いところとして「デフォルトではすべてのプロセスにシステムの全リソースが見えるようにしています」と始まり、リソースの可視性からコンテナへ繋いでいき、さらに「オブザーバビリティ」へ繋がっていくところが、単にアプリケーションや、サーバプロセスを動かすだけでなく、実際に運用していく上での視点がフォローされているところが「モダン」というタイトル通りだな、と思いました。

詳細に読み込むというより、斜め読みしておいて、「あれ、このキーワード知らない」とか、「あ、この仕組み、自分では説明できないな」といった自分の知識の答え合わせ、リファレンスとして使うのにちょうど良いので、入門済みの人も手元にあると、人に説明する時に便利じゃないかなと。

とりあえず手元にあって良い1冊ですね。


この本と、『Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識』を読んでおくと、ざっとLinuxの入口に立てて、良いんじゃないかと。