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『マルチクラウドデータベースの教科書 クラウドロックインを乗り越えるデータベースの構築ノウハウ』を読んだ

割とデータベース系には疎くて、苦手分野だなーと思っていたのだけど、最近の動向をざっと掴んでおくか、と『マルチクラウドデータベースの教科書 クラウドロックインを乗り越えるデータベースの構築ノウハウ』を購入。

今日1日かけて読み込んだけど、前半のあらためての各社クラウドデータベースのサービス内容のおさらいから、マルチクラウドの意義、各社データベースサービスの状況、DBaaSの解説へ続いて、最後にどうやってマルチクラウド構成に移行していくのか?という点が解説されているので、現代的なクラウドのデータベースサービスって今どうなっているの?使い方のポイントは何?というのを俯瞰しながらざっと理解したい人におすすめです。

この量の知識が頭に入っていると、割と説得力ある話ができると思いました。


なぜマルチクラウドでデータベースを構成するのか?という根源的な問いかけについては、以下のような理由が示されています。

  • ビジネス上の課題

  • 技術的な課題

    • 可用性(レジエンス)の向上

なんか面倒くさそうだなーと思ったけど、元々集計だけはBigQueryを使いたいからAWSGoogle Cloudを使う、という話はよく聞いていたし、最近ではクラウドベンダ間の連携も想像以上に進んでいたし、マルチクラウドに跨ったサービスを提供して面倒くささを隠蔽してくれるDBaaSも選択肢が増えていることがよくわかりました。


最初に各クラウドサービスのおさらいが始まるので「その辺は知っている!」という人は後半から読むといいな、と思いますが、前半にも意外とお役立ち情報が多い(クラウドの障害事例とかはやっぱり押さえておきたいよね)ので、遡って読むことをおすすめします。

それぞれのプロジェクトで抱えている課題は違っていて、あらゆるサービスがマルチクラウドのデータベースを導入すべきか?というのはちょっと違う気もしますが、特に企業の基幹系システムがクラウドに移行する中、可用性を上げるためのツールとしてのマルチクラウドという選択肢は押さえておいた方がいいですね。

この本は、これだけやればいい、という絶対的な正解をもたらすものではないので、結局は「自分でよく考えよう!」となるわけですが、価値観や視点といったところはビジネス側の人とも共有した方がいいので、ぜひ色々なロールの人で集まって読書会を開いてみるといいと思いました。