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The Art of UNIX Programming

The Art of UNIX Programming

The Art of UNIX Programming

しばらく絶版になっていた「The Art of UNIX Programming」がアスキードワンゴから再発された。アスキードワンゴはこの手のUNIX文化に関する書籍をどんどんリリースしてくれるので、本当にありがたい。みんなまた絶版にならないうちに買いましょう。

本書の構成は…

  • 第1部「コンテキスト」⇒所謂UNIX文化や歴史の解説
  • 第2部「設計」⇒各機能のをUNIX的な思想の観点から紹介
  • 第3部「実装」⇒C言語や、各種開発ツールチェーンの紹介
  • 第4部「コミュニティ」⇒オープンソース活動や、ドキュメントに関する紹介

原著が2004年と今ではわりかし古めなので、第2部以降は全部読み切るより、自分の興味の有るトピックを拾い読みするくらいが丁度いいかも(けっこうページ数は多い)。

しかし、第1部の「コンテキスト」はとにかく重要。ここだけは全部しっかり読み切った方がいい。現代でも通用するソフトウェアに関する思想が詰まっている。

個人的には、冒頭に出てくる下記の主張が最高に大好きだ。

その後もRob Pikeによる「プログラミングの原則」や、筆者によるUNIXに関する17個の考え方なども学びの多いことが並んでいる。

特に、「明確性の原則:巧妙になるより明確であれ」や、「分離の原則:メカニズムからポリシーを切り離せ。エンジンからインタフェースを切り離せ」といったあたりが秀逸なメッセージ。

と言う訳で数あるUNIX文化の解説書の中でもけっこうな物量の本だけど、ほんと冒頭の第1部だけでもいいので、じっくり繰り返し読んだ方が良い本。お勧めです。

Art of UNIX Programming, The (Addison-Wesley Professional Computing Series)

Art of UNIX Programming, The (Addison-Wesley Professional Computing Series)