- 作者: Eric S.Raymond,長尾高弘
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/03/08
- メディア: 単行本
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しばらく絶版になっていた「The Art of UNIX Programming」がアスキードワンゴから再発された。アスキードワンゴはこの手のUNIX文化に関する書籍をどんどんリリースしてくれるので、本当にありがたい。みんなまた絶版にならないうちに買いましょう。
本書の構成は…
- 第1部「コンテキスト」⇒所謂UNIX文化や歴史の解説
- 第2部「設計」⇒各機能のをUNIX的な思想の観点から紹介
- 第3部「実装」⇒C言語や、各種開発ツールチェーンの紹介
- 第4部「コミュニティ」⇒オープンソース活動や、ドキュメントに関する紹介
原著が2004年と今ではわりかし古めなので、第2部以降は全部読み切るより、自分の興味の有るトピックを拾い読みするくらいが丁度いいかも(けっこうページ数は多い)。
しかし、第1部の「コンテキスト」はとにかく重要。ここだけは全部しっかり読み切った方がいい。現代でも通用するソフトウェアに関する思想が詰まっている。
個人的には、冒頭に出てくる下記の主張が最高に大好きだ。
The Art of UNIXを読み直したら、ずっと出典を探してた、Dick Hammingの「誤った問題を正しく解くよりも、正しい問題を誤った方法で解く方がよい」が出てきた
— magnoliak (@magnolia_k_) 2018年10月14日
これと、Richard P. Gabrielの「Worse is Better」と併せて、みんな朝起きたら3回復唱しよう
その後もRob Pikeによる「プログラミングの原則」や、筆者によるUNIXに関する17個の考え方なども学びの多いことが並んでいる。
特に、「明確性の原則:巧妙になるより明確であれ」や、「分離の原則:メカニズムからポリシーを切り離せ。エンジンからインタフェースを切り離せ」といったあたりが秀逸なメッセージ。
と言う訳で数あるUNIX文化の解説書の中でもけっこうな物量の本だけど、ほんと冒頭の第1部だけでもいいので、じっくり繰り返し読んだ方が良い本。お勧めです。
Art of UNIX Programming, The (Addison-Wesley Professional Computing Series)
- 作者: Eric S. Raymond
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2003/09/17
- メディア: ペーパーバック
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