Magnolia Tech

いつもコードのことばかり考えている人のために。

もう「自動化」って言わなくてよくないですか

以前noteに書いてた記事の転載

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なんとなく、「自動化」って言葉のニュアンス、“今の状態にわざわざ苦労して付け加えてやること”みたいな、特別感出していませんか。

それより、わざわざ”手作業”でやる方を「手動化」って言った方が、よくないですか?

「え?それ手動化でやるんですか、まだまだ人間じゃないと判断できない価値が有る作業なんですねー」みたいに。

どっちを特別視するか?って時に、より「当たり前の方」にはわざわざ名前つけないですよね。特別だと思っているから名前付けるので…だから、手作業の方に名前を付けた方が、その価値に気づきやすいんじゃないかって。

手作業の方が、直接的な作業時間以外にも、さまざまな意味でのコストがかかっていて…例えばどんな些細なことでも「判断する行為」は人の関心量を削って行くんですよ。

そもそも「自動化」の価値って、やってみると案外”自動でやってくれる”ことより、「作業フローが可視化される」「判断基準が明確になる」みたいなところだったりしますしね。そうすることで属人性を排除すべきところと、そうでないところが明確になるんですけど、これ自動化じゃなくてもやらないといけないことですよね。

基準が明確になってしまえば、作業が分離できるんですよ。

任せられる。

人の関心量には限界が有るので、少しでも関わった以上は、その関心量の消費が必ず一定量有るんですよ。その直接的に手を動かした以上に、関心量の消費が色々な所に効いてくるんです。なのでとにかく関心を分離して、任せられる状態になっていることに価値が有るんじゃないですか。

現代的なプログラミングの基本は、「関心の分離」です。より集中すべき所に集中すべき時に、まずは作業じゃなくて、関心を分離する方法を考えるといいんじゃないかって。

自動化でも手動でも大事なことは変わらない訳です。そこに気づくために、あえて手作業こそを特別なこととして、「手動化」って呼んでみるといいんじゃないかと思った話です。