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「実用git 第3版」...読み・書き・そろばん・バージョン管理

14年ぶりに改版されたgitの解説本、「実用git」を読みました。

もう日常的にgitを使うようになって10年以上経つので、初めて触れた頃に何で戸惑っていたのかは覚えていないけど、例えばGitHubとの連携を取っても意外とgitがどうやってファイルを管理しているのか、コミットがどうやって管理されているのかといった内部構造や、設計思想(すべてをハッシュ値で識別する)をしっかり理解していないと使いこなすのが難しいな、という記憶がある。

所謂「git入門本」ではなく、「gitの機能解説本」なので、いきなり初心者の方がこの本を読んでgitを学ぼうとするのは無理がある。しかし、一つ一つの機能が丁寧に解説され、さらにすべてのメッセージに対して日本語訳を一緒に掲載しているところが素晴らしいところ。リファレンスとしても普段使わない機能の学習にも最適。また、監訳注も充実していて、周辺知識のフォローに余念が無い。

特に、コミットのグラフの読み方が分からないと、本当に手も足も出ない、みたいな状態になることが多いのだけど、その辺がしっかり解説されているのが良かった。

branchのデフォルト名称がmainに変わろうとしていたり、switchというサブコマンドが導入されたりと、最近のバージョンでの変更もしっかりフォローされている。

ベテランの人たちは、今更読んで新しい使い方を発見するみたいなことはあまりないかもしれないし、完全な初心者が入門するために使う本でもないけど、一家に1冊有ると安心できる、そんな定番本だと思います。