半年前に告知した通り、 大吉祥寺.pm 2025 というテックカンファレンスを開催しました。
企画をした当事者として全てを書き残そうとすると無限に時間がかかるので、制作物や企画を除いて、「なぜやろうと思ったのか?」「実行委員長から見てどんなイベントなのか?」だけを書いて一旦公開します。制作物や企画の話はまた別途。
吉祥寺.pmとは?
改めて吉祥寺.pmというイベントの紹介
「吉祥寺.pm」は、当初Perlのイベントとして始まりましたが、次第に参加者の多様性が広がり、プログラミング言語や、データベース、設計方法論、キャリア、勉強会開催方法など、Perlに限らず、「それぞれが発表したいことを自由に発表できる場」に変わっていきました。発表枠は毎回必ず全て埋まり、常に新しい人が参加し続け、毎回全く違う発表が行われる、数あるテック系勉強会の中でもユニークなイベントになっていると言えます。
2014年に始まり、今年で11年目に突入しました。
大吉祥寺.pmとは?
以前より「一回くらいは武蔵野公会堂のホールを終日借り切って、カンファレンス形式の吉祥寺.pmをやってみたい」という話していました。
そして、実際に10周年記念イベントとして昨年開催されたのが「大吉祥寺.pm」です。
実際のイベントの様子は、動画として残しています。
一回きりのスペシャルイベントとしての開催のつもりだったのですが、あまりに楽しい思い出になったので、武蔵野公会堂が改修に入る前にもう一回くらいはやっておこう、ということで「大吉祥寺.pm 2025」を企画しました。
運営方針
昨年の「大吉祥寺.pm」は、初めての試み、ということもあり、欲張り過ぎず、本当に最小限で準備で開催しました。
- JPA(Japan Perl Association)との共同開催(カンファレンス運営ノウハウの共有)
- トークは、ホールの1トラックのみとする
- 制作物は、紙の印刷物のみ(ポスター、ステッカー、名札)に絞り込む
- スポンサーは、事前に問い合わせてきて頂いた1社+個人スポンサー1名のみ
この方針は割と成功し、色々な人に「1トラックなので、みんなで同じ話を聞いて、同じトークについての感想が言えるのが良かった」と言って頂けました。
昨年の経験値が溜まった、ということで、今回は「JPA(Japan Perl Association)との共同開催」「トークは、ホールの1トラックのみとする」という点はそのままに...その他は少しだけ拡大をしました。
- より参加者が交流できる企画を増やす(アンカンファレンス、吉祥寺 ご縁カードなど)
- スタッフ、登壇者に記念となるものを残す(サコッシュや、スタッフTシャツなど)
- 必要な経費を賄うためのスポンサーを集める
昨年よりも少し準備に時間がかかることを想定しながら、スケジュールを組みました。
プロポーザルの募集
昨年は、一般参加者を募集してから、プロポーザルを募集する、という他のイベントとの逆の流れでしたが、やはり採択結果により行く・行かないが変わる、という方もいらっしゃるので、今回は先にプロポーザルの募集と採択を行いました。
プロポーザルは全部107件集まりました。昨年の大吉祥寺.pmが77件だったので、なんと1.4倍です。昨年のイベントの盛り上がりが伝わった結果と言えるでしょう。
採択プロセスの詳細はここでは書きませんが、本当にどれも聞きたいプロポーザルばかりで非常に悩ましい状況でした。
実行委員長としてできたことは、前夜祭にもプロポーザルでいただいたトークを喋れる場を作った、ということくらいです。
また、一部のトークは非公式イベントであるリジェクトコンで話されることになったのは良かったな、と思っています。
アンカンファレンス
昨年の大吉祥寺.pmの振り返りで、ちょっともったいなかったな、と思ったのがロビーの使い方でした。
特に比較的明るい入って右手の奥のソファ席がほとんど使われていなかったので、今年はアンカンファレンスコーナーを設置しました。
本編を食ってるアンカンファレンス #kichijojipm pic.twitter.com/BCex5RUlNZ
— 941 / kushii (@941) September 6, 2025
これだけで普通に一つのカンファレンスでは?と言えるほどの熱いテーマが集まり、常にソファ席が満席なほどの盛り上がりを見せていました。
「カンファレンスの廊下」の重要性、という話が有りますが、人数が多過ぎず、少な過ぎず、ちょうど良い規模で「ちょっと通りかかったから聞いて行くか」という偶然の出会いの場が作れたことは、本当に想像した以上の結果になりました。
イベント当日
前夜祭ではイベントを通じて司会をやりました。
更に、前夜祭オープニング、クロージング、対談、本編オープニング、キーノート、クロージングとやっていて、直前で「実行委員長が喋りすぎ?」と一瞬思ったのですが、ずっとこのスタイルなので、いまさら変えるのもな、と思って結局全部やってしまいました。
本編では、イベント会場をひたすら歩き回っていたので、ひとつひとつのトークはあまり集中して聞けていません。後日、編集された動画でゆっくり見たいと思います。
このイベントがきっかけで、明日から何か一つでも行動や、交友関係が良い方に変わっていけばいいな、と思っています。
当日のSNSでの反応
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当日資料へのリンク集
本編
前夜祭
キーノート
今回、基調講演や、キーノートを誰にお願いするか、なかなか決め切れませんでした。そんな中、スタッフミーティングで、「実行委員長が喋ればいいのでは?」という意見が出て、確かに吉祥寺.pmでのトーク、実は第1回目で一度話したきりでそれ以来話したこともなく、ちょうどいいかなと思って引き受けることにしました。
当日のスライドを貼っておきます。
なんとなくこんなことを話せばいいのかな?と考えていたことは有りましたが、実は前夜祭の日までスライドが1文字もできていませんでした。そんな中、前夜祭の懇親会で聞かれた「カンファレンスを開催する原動力は何ですか?」という問いかけが印象に残って、自宅に戻って深夜1時間ほどで仕上げた内容になります。たぶん、答えになっていたと思います。
大吉祥寺.pm 2025のキーノート、時間の関係でほぼLTくらいの分量なので、どこかで完全版を話したい気持ちもある
— magnoliak🍧 (@magnolia_k_) September 12, 2025
でもあれ以上自己開示するのか?という迷いも有る
完全版とは何か?という定義も分かりませんが、機会が有ればどこかで話したいと思います。
これからの吉祥寺.pm
クロージング資料からの抜粋を貼っておきます。
来年からしばらく改修工事により武蔵野公会堂は使えません。そのため、同じ会場、同じ規模で「大吉祥寺.pm 2026」が開催されることはありません。またレギュラー回(金曜日の夜開催)の吉祥寺.pmもしばらく別の場所で開催することになります。
そのため、当面は呼ばれた場所で開催する、「旅する吉祥寺.pm」をコンセプトに活動していきます。
会場提供スポンサーや、ダブルネームでの共同開催のご誘い、お待ちしております。
また、オンライン開催はこれまで同様に、定期的に続けていきます(半年に一度くらいのペースになります)。
実行委員長から見た大吉祥寺.pmというイベント
大吉祥寺.pmは去年も今年も不思議なイベントです。
おそらく先にタイムテーブルだけ見せて、「さて何のイベントでしょう?」と聞いても誰も答えられない...というか「なぜこのトークと、あのトークが一緒のイベントで話されているの?」という疑問しか出てこないです。
バラバラで統一感が無く、特定の技術スタック(言語とか、フレームワークとか)や、マネジメントなどをテーマとしたイベントとは全然違ったタイムテーブルになっています。
この「次に何の話が出てくるのか分からない感じ」が、去年と今年も実現できていました。会場でホールに座られている方の数、一日を通してほぼ変わらなかった(みんなずっと聞いていた)ことからも、そこに皆さんの期待値が有るんだろうな、と見ていました。
当日だけでは上手く消化しきれないほどの情報量でしたが、「よく分からないけど、一日喋っている人も、聞いている人も楽しそうだった」と思えてもらえれば大成功です。
どんなトークも温かく受け入れて、面白がってくれる、そんなイベントでありたいと思っています。
おわりに
大吉祥寺.pm 2025は、スポンサー各社・各団体の皆様、プロポーザルを出してくれた方、登壇してくれた方、スタッフ、参加者、さまざまな方々の応援、熱意によって実現したイベントです。
本当に感謝しか有りません。
どうなるかは分かりませんが、次回の(超・大・中・小)吉祥寺.pmをお楽しみに!とだけ言っておきます。
追記:結果レポートなのに、参加人数を書いてませんでした...
一般参加者255名(本編)、スタッフ26名、登壇者22名(前夜祭、スポンサーセッション含む)と非常にたくさんの方にご参加頂き、最後まで無事にイベントを終えることができました
と、追記しておきます。