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いつもコードのことばかり考えている人のために。

僕らはいつまでUSB Type-Cケーブルを選ぶのに迷うのだろう…まだ迷っている人のための覚え書き - 2021年、夏

自分用の買い物メモ、Thunderbolt4ケーブルが続々とリリースされてきたので、2021年夏用にアップデート。

いつもの「全部同じじゃないですか」案件。


USB Type-Cケーブルの選び方は難しい…あらゆる規格をサポートするけど、あらゆる規格を”同時に”サポートするわけではないので、主にケーブル長や用途などで上手く選ばないと、使えなかったり、無駄に高いケーブルを選ぶことになってしまう

そんなことを起こさないためのメモ

あれこれ迷わないための”全部入り”

  • 低速から高速まで色々な周辺機器の接続に使う(USB2.0, USB3.2, USB4, Thunderbolt3, 4)
  • ディスプレイ接続に使う(DisplayPort)
  • 給電に使う(最大100W)

などなどを考えると、Thunderbolt4のケーブルを選ぶと全部対応している。長さは2.0mまで選べる。

Thunderboltのマークと規格を示す数字がコネクタに刻印(「⚡︎ 4」)されているものを選んでおくと後で「これ何の規格のケーブルだっけ?」とならないので便利。USB規格のケーブルは何も規格の種類を示す刻印がなかったり、最大転送速度を示す刻印しか無く、タグをつけておかないと確実に分からなくなる。

価格は0.8mで3000円程度、2.0mだと倍の6000円くらい。

Thunderbolt3は長さによってパッシブケーブル、アクティブケーブルといったケーブルの種類の違いが有ったけど、Thunderbolt4はその違いは無い。また規格上USB PDによる100Wまでの給電対応は必須ではなかった(でもたいてい対応していた)けど、Thunderbolt4は規格上必ず100W対応している...つまり、迷うことなく、分かりやすい。

Thunderbolt4ケーブル、全部入りなので迷うことがない分便利だが、値段は単なるケーブルとして見るとちょっと高いので、用途を絞れば選択肢が広がる。

Type-Cケーブルを使う主な用途と言えば、USB PDによる給電か、給電+ディスプレ接続か、そして本来のデータ転送となるが、Thunderbolt4の規格が示す40GB/sの転送速度が必要になる場面はあまり無いので用途に合わせて選んだ方が良い。

USB PD給電のためのケーブル選び

  • 使っているUSB PD充電器の仕様を確認し、3Aを越える電流に対応しているか確認する。

  • 3Aを超えない場合、USB 2.0規格かつ、USB PD対応で60Wとか、3Aまでと書かれている安価なケーブルを探す。

USB2.0かつ、3Aまでだと規格上、eMarkerチップが不要なため価格も安いし(1000円くらい)、製品の選択肢も多い。念のためにUSB PDサポートと書かれているものを選んだ方が良い(規格上、非対応、ということはないけど、念のため)。

短いケーブルはUSB PD対応のモバイルバッテリ接続に便利だし、壁や机の下のコンセントに刺したUSB PD充電器から電源を取る場合は、少なくとも1.8mは欲しいところ。

  • 3Aを越える場合は、USB 2.0規格かつ、USB PD対応で100Wとか、5Aまでと書かれているケーブルを探す。

eMarkerチップの分だけ多少高い(1600円〜1800円くらい)。Windows PCの場合、必要なワット数がスペックから分からないことも多いので、不安ならとりあえず5A対応のものを買っておけば間違いは無い。

  • 長いケーブルは巻いて収納することを考慮してケーブルの硬さなどに注意、なるべくしなやかに巻けるケーブルを選ぶ。

ディスプレイ接続のためのケーブル選び

  • 「オルタネートモード(Alternate Mode)対応」「ディスプレイ接続用」と明記されているか確認する

  • 給電を併用する場合、ディスプレイ側がサポートしている電流を確認(3A、5A)

だいたい2000円くらいで買える。

  • 2.0mまでならUSB 3.2 Gen 1x1(USB3.0、USB 3.1 Gen1)対応のケーブルが比較的安価

USB 3.2 Gen 2x1(USB 3.1 Gen 2)、USB 3.2 Gen 2x2は規格上、ケーブル長が1.0mに制限されるので、規格上2.0mまで対応しているUSB 3.0(USB 3.1 Gen1)対応のケーブルを探した方が良いけど、あまり製品の種類は無い模様。

データ転送(周辺機器接続用)のType-Cケーブル選び

  • USB 3.1、UBS3.2、USB4、Thunderbolt3,4といった規格のケーブルを周辺機器が対応する規格に合わせて買う(それは、そう)。

最近はUSB 3.2 Gen 2x1(USB 3.1 Gen2)対応の安価なストレージも増えてきたので、間違ってUSB 3.0(USB 3.1 Gen1)やUSB2.0までしかサポートしていないケーブルを買わないように注意が必要。

おわりに

Type-Cコネクタを使った規格がどんどん増えていって、全然分からなくなってきた。特にUSB 3.xの名称は非常にわかりづらく、混乱し易い……USB 3.0、USB 3.1、USB 3.2、USB4と詳しい人じゃないとまず分からないし、同じ規格に複数の名前がついている(USB 3.0とUSB 3.2 Gen1が同じと言われても...)。さらに、USBのケーブルを探すのに、Thunderbolt3や、4という規格のケーブルを買うといいよ、と言われても詳しく無い人にとって完全に意味不明になってきた。

だけど、自分の用途に合ったケーブルを選ぶようにしましょう。迷ったらThunderbolt4ケーブルを買っておきましょう、お金で解決。